今から2年前の2016年3月に、オーロラ撮影旅行に行ってきました。
行先はオーロラスポットとして有名なカナダ ホワイトホース。
オーロラを見ることのできる確率は高いとはいえ、かなり小さなオーロラも発生した数に含まれているため、「本当に見ることができるのか」行く前はオーロラ予報を見ながら心配になることもありました。
結果的には、オーロラチャンス5回中4回オーロラを観測。何と80%の確率!
しかもそのうち3回はブレイクアップと呼ばれる大きなオーロラで、ガイドさんに「今期最大のオーロラ」と太鼓判をいただいたほどのものを見ることができました。
その日は事前のオーロラ予報が芳しくなかった日なので、何があるかわかりませんね。
目の前で見るオーロラは想像以上に感動します。
今回はそんなオーロラを見に行った時の旅行記をまとめましたので、「いつかオーロラを見たい」と思っている方はぜひ読んでみてください。
目次
発生率80%!初めてのオーロラ旅行で最大級のオーロラに出会えた話
旅の舞台はカナダ ホワイトホース
オーロラといえば最もポピュラーと言っても過言ではない国カナダ。
そんなカナダですが、オーロラスポットといえばイエローナイフが有名です。
今回私が行ったホワイトホースはイエローナイフより知名度は劣るものの、オーロラが見られる場所としてイエローナイフと二大巨頭になっている場所。
ツアーを申し込んだ時点では、「ホワイトホースなんて聞いたことないけど、本当にオーロラ見れるの?発生確率96%のイエローナイフの方がいいんじゃないの?」と不安になっていましたが、そんな心配は無用でした。
ツアーは3日間、世界遺産であるクルアニ国立公園の傍にあるロッジで宿泊し、オーロラ鑑賞。その後ホワイトホースの街に戻り、2泊しながらオーロラの見える場所を探すというオーロラチャンスが5回あるツアーでした。
プロローグ 全くオーロラを見れなかった方とすれ違う
ホワイトホースへの乗り換えのタイミングで、ホワイトホースから帰ってくる日本人ツアー客に遭遇。
聞いてみると、3日間のオーロラチャンスで、オーロラは一度も出ず。
最後の1日はオーロラ観測地と離れた場所に宿泊していたが、希望者のみ最後の望みをかけてオーロラ観測に行くことに。
ツアー参加者のうち半分が参加し、その最後のツアーに行った人のみ、なんとか小レベルほどのオーロラが見れたそう。
恐ろしい話を聞いてしまった・・。
0日目 初めてオーロラに出会った日
ホワイトホースに着いてすぐ。
本来ならオーロラを見る予定はなかったのですが、近くにオーロラが出ているということで行ってみることに。
オーロラ鑑賞にカウントしない日なので、0日目。
車に揺られること15分ほど。着いたのは街の近くにある原っぱのような場所。
「オーロラ出てるね!」とガイドさんたちが嬉しそうに話す姿を見ながら?マークの私たち。
目の前に広がるのは真っ暗な空。
うん。どう見ても真っ暗な空。
「ほら、あそこに白いふわっとしたものが見えるでしょ?」
・・・
そう言われると確かに空に白いもやのようなものは見える。え?あれがオーロラ?
皆がいそいそとカメラの準備を始めるので、私も急いでセッティング。
撮ってみるとこんな感じ。
確かに!オーロラ出てる!
と、撮影できた時は結構感動したものの、肉眼で見たら本当にただの白いもや。
まさかこれを見にここまで来たんじゃないだろうか・・
この先の旅の行程に一抹の不安を覚えたオーロラ旅行0日目の夜でした。
1日目 初日からまさかのブレイクアップに当たる
ホワイトホースの街から車で何時間走ったかもわからないぐらい。
ようやく着いたクルアニ国立公園は、世界遺産と呼ばれるにふさわしいほどに美しい場所で、日本とはスケールの違う雪景色に、ただただ感動するばかりでした。
雄大すぎる自然を堪能し、迎えた最初の夜。
今日のオーロラ予想はレベル5。見れるか見れないかは五分五分。
ガイドさんの話では、「オーロラはなかなか出ないことが多いので、みなさんで自己紹介したりお菓子を食べながらのんびりしましょう。大体深夜に突然現れますよ」とのこと。
夕食を終えて、カメラの準備をしてから、さあのんびり自己紹介!
と思っていたら、外から「オーロラが出てる!」との報告が。
慌てて三脚を担いで外に出ると、外には昨日見たものよりだいぶ大きい白いもやが。
急いでシャッターを切ると、想像以上のオーロラが写り込んでいていました。
肉眼で見るとこのレベルのオーロラでも、やはり「白いもや」。
でも撮影するとこんな風に写るので、楽しくて楽しくて。
カメラが趣味で良かった!とこの時以上に思ったことはありません。
レンズを交換しながら撮影を楽しんでいると、しばらく「もや」にしか見えなかったオーロラが、突然どんどん大きくなっていきます。
声のする方を振り返ると、大きなオーロラがもう一つ。私たちが宿泊しているロッジから出ています。
もうどっちにカメラを向けたらいいのかわからず、写真は失敗作だらけ。
てか24mm狭くて、全然入らない!!
カメラをいじりながら必死で空を見上げると、別々の場所にいたオーロラ2つがどんどん伸びていき、1つに繋がっていく・・。
もはや写真は半分諦め、見るほうに集中。
肉眼で見るオーロラの姿は想像よりも色が薄かったですが、カーテンのようにゆらゆら揺れる光のカーテンは、他のどんなものでも表現できないほど感動する光景でした。
オーロラはその後も大きくなったり小さくなったりを繰り返し、そのたびに私たちの歓声を誘います。
そんな時間を繰り返し、気づいたら午前3時。
初めて見たオーロラに感動しながら、1日目のオーロラ観測は終了となりました。
2日目 予報を裏切って出てきた今期最大級のオーロラ
初めてオーロラ見てブレイクアップなんてすごいよ!
という興奮冷めやらぬガイドさんの言葉に、心が躍ったオーロラ旅行2日目。
お昼はクルアニ国立公園の探索を楽しみ、2度目の夜を迎えます。
今日のオーロラ予報は3。見れたとしてもかなり小さそう。
それでも昨日ブレイクアップを見れた分、心に余裕があります。
しかし、「今日はゆっくり自己紹介でもしよう」と話していたところに、またもやオーロラ発生。
出ているなら行かなければ、ということで、今日も早い時間からオーロラ観測です。
でも、見ている限り、まったりとした静かなオーロラ。
タイムラプスで撮影していても全然動きが無く、だんだん飽きてきそうに。
昨日のオーロラ出現のおかげで皆寝不足のため、一人、また一人と自分の部屋に帰っていきました。
「今日は大きなものは出ないかな。」
というガイドさんの言葉に、私も帰ろうかなと考えていたその時、オーロラが動き始めました。
少し動く程度かな、と思っていたらどんどん成長するオーロラ。
さっきまで画角に余裕で写っていたのに、あっという間にキャパオーバー。
急いで魚眼レンズと新しいバッテリーを付け替えます。
震える指で必死にカメラの設定をしている横で、歓声が。
見上げたクルアニ国立公園の広すぎる空には、どんどんオーロラが広がり、気が付いた頃には昨日見たものより遥かに大きなものに成長していました。
やっとのことでタイムラプスを設定し、写真はカメラ任せ。
「ブレイクアップだ!」とガイドさんがロッジに帰った他のツアー客を呼びに行く声を遠くで聞きながら、呆然と空を見上げることしかできませんでした。
昨日見たオーロラよりもカーテンのゆらゆらがハッキリ見え、空を歩くようにどんどん伸びていきます。
いくつものオーロラが出現し、一つになって大きくなって、また分かれて。
既に魚眼レンズでも収まらないほどに広がったオーロラを前に、カメラのファインダーを覗いている人は誰もいませんでした。
叫んだり、ぼんやり空を見上げたり、雪の上に寝転んだり。
この光景を一瞬たりとも見逃さないように、皆必死に目をこらしていました。
ファインダー越しで見るなんてもったいないほどに大きなオーロラに、目を奪われながらどれだけ時間経ったのでしょうか。
この日のオーロラは本当に元気で、少し小さくなったと思ったら、また動き出しての繰り返し。
1度でもすごいとされるブレイクアップがなんと3~4回発生したとのこと。
夢中になって、気づけば今日も夜中の3時。
遠くの空にはまだオーロラが揺らめいていますが、ブレイクアップも落ち着いたのでそろそろ眠ることに。
その後、他の参加者がタイムラプス設定をして置いて行ったカメラには、もう1度大きなブレイクアップが写っていました。
この規模のブレイクアップがこんなに起きるのは珍しく、「今期最大のオーロラだった」の言葉をガイドさんからいただきました。
オーロラレベルとしては9。残りの1は「自然はいつも私たちの想像を超える」と期待を込めて。
つまり、実質この夜は最高レベルのオーロラが現れたということでした。
余談ですがこの日、ホワイトホースよりも高い晴天率を誇るイエローナイフは雲がかかってしまい、オーロラが全く見えなかったそうです。
こればかりは運としか言えないですね…。
3日目:ゆるやかなオーロラと星空を楽しむ
早いもので、クルアニ国立公園で迎える夜は最後。
結論を言ってしまうと、この日のオーロラは普通でした。
オーロラレベル的には4ぐらい。予報も同じぐらいでした。
たぶん初日に見ていたら、かなり感動したレベルだったと思いますが、既にブレイクアップを何度も見ている私たちにとってはもはや風景。笑
普通はオーロラがなかなか出なくてやきもきしているのに、3日目にしてやっと自己紹介ができたツアーも珍しいとのことでした。笑
贅沢なことに、ずっとオーロラしか撮っていなかったので、この日はクルアニ国立公園の星空を撮影することに。
昨日とはうってかわって静かなクルアニ公園の上に広がる満天の星空は贅沢すぎて、
「オーロラが出ない夜もいいな」なんて考えながら、空を見上げていました。
この日は少しだけオーロラを撮影して、いつもより早くに就寝しました。
4日目:この旅唯一のオーロラが見れなかった日
お世辞にも都会とは言えないホワイトホースの街ですら、クルアニ国立公園に比べたら大都会。
そんなホワイトホースに帰ってきたこの日は天気も悪く、オーロラが現れることはありませんでした。
天気のいい時間帯に森を探索して、ビーバーを探して。
寝不足にはありがたい休息日です。
5日目:最終日にも現れたブレイクアップ!月とオーロラの共演を収めて
ホワイトホースで過ごす最後の夜。
大きなオーロラがこの日も発生しました。
この日の朝には飛行機に乗るため、オーロラを見に行けば睡眠時間はほとんどありません。
それでも、人生最後かもしれないオーロラチャンスを逃したくない!
ということで、出発することにしました。
まず最初に着いたのは、ホワイトホースの街中。
驚いたことに、明るい場所ではめったに出ないオーロラが、街中に出ています。
これは相当大きなオーロラが出ている証拠。
街中のオーロラなんて非常に珍しいので、撮影しようと頑張るのですが、街の灯りが明るいため、設定が難しい。
結局満足できる写真は撮れずじまいでした。
次の目的地はホワイトホースから車でしばらく走った場所にある公園。
何もない広大な土地が広がっているので、オーロラ撮影にはもってこいです。
街中で見た時と同じように、どんどん大きくなるオーロラ。
ブレイクアップをこの日も見ることができました。
月とオーロラの共演も、なかなか見ることのできない光景です。
後ろを振り返ると森があるので、森とオーロラの写真を撮ることもできます。
この日もオーロラ予報は5と五分五分の数値でしたが、7~8レベルの本当にきれいなオーロラを見ることができました。
オーロラ予報はあてにならない
5日間のオーロラチャンスのうち、オーロラを見れた日は4日。
しかも、そのうち3日はブレイクアップを見ることができたという、素晴らしい確率でオーロラを見ることができました。
オーロラを見ることができる確率の中には、私が0日目に観測したオーロラのような小さなもやもカウントされているので、そう考えたら驚異的な運の良さですね。
行く前はオーロラ予報にも悩まされていましたが、結局オーロラ予報以上のオーロラが出たので、あまり関係ないのだなと学びました。
これからオーロラを見に行かれる方は、「絶対見れる」と気持ちを強く持って行くことをおすすめします!
旅の相棒