オーロラを見に行く時、「せっかくだから写真も撮りたい!」と思われる方も多いのではないでしょうか。
今回は実際にオーロラを撮影してみて、必要だと思ったカメラ・レンズの性能についてまとめたいと思います。
ちなみに私が当時持って行ったのはOLYMPUS OMD-EM10。
行ってからオーロラに本当に不向きなカメラというこ
とに気が付きましたが、後の祭り。笑
これから行く方はそのような失敗はしないように、気を付けてください!
目次
実際にオーロラ撮影をしてみて感じた 本当に選ぶべきカメラ・レンズについて
①できればフルサイズ、せめてAPS-C
今回私は最もオーロラ撮影に向かないマイクロフォーサーズでオーロラ撮影に行きました。
確かにマイクロフォーサーズでもオーロラは撮れます。
でも、フルサイズで撮影したものと比べたら、どうしても見劣りしてしまいます。
オーロラはかなり広範囲に広がるので、どうしても広角での撮影が必要。
たとえ12mmの画角のレンズをつけていても、APS-Cなら18mm、マイクロフォーサーズなら24mmと、どんどん画角が狭くなってしまいます。
また、レンズのF値についても、明るい方が入射する光の量が多く、シャッタースピードを稼げて迫力のある写真を撮ることができます。
このF値についてもフルサイズとマイクロフォーサーズで違っており、マイクロフォーサーズのF1.8はフルサイズのF3.6相当とも言われています。
マイクロフォーサーズでもF値の低い広角レンズはかなりお値段が張ってしまうので、この事実はショックですよね・・。
センサーサイズについても当然フルサイズの方が上のものが多く、オーロラ撮影についてはフルサイズが最も適しているということになります。
実際に一緒に撮影されていた方も、NikonやCanonの方が非常に多かったです。
ただし、値段が高くて重いのが難点。
下記に紹介しているものは軽くて性能の良くて比較的安いフルサイズのカメラです。
Canon EOS 6D MarkⅡ
⇑私が今後フルサイズを買うとしたら、絶対欲しい6Dシリーズ。
Canonの中でも最も軽いフルサイズカメラです。
Sony α7Ⅱ
⇑フルサイズミラーレスという他のメーカーにはない商品を出しているSONY。
ミラーレスなので通常のフルサイズカメラより軽いのが大きな特徴。
ただし、フルサイズはお値段が高めでちょっと手が届かない・・
という方は、ワンランク下のAPS-Cを選ぶことをおすすめします。
APS-Cでもオーロラを撮影している写真家さんはたくさんいるので、問題はありません。
これだけマイクロフォーサーズを批判してしまいましたが、それでもマイクロフォーサーズでオーロラ撮影に行きたい!という方にはこちらをおすすめ。
OLYMPUSの最上位機種であり、防塵防滴機能・耐低温機能も付いています。
②防塵防滴・低温耐性のあるもの
当然といえば当然なのですが、どこで見るとしてもオーロラの観測地は-10℃以下がほとんどです。
上位機種以外で低温耐性が付いているカメラがなかなか少ないので、きちんと確認してから買うことをおすすめします。
また、外にずっと出しておくので、防塵防滴機能がないと壊れてしまう確率が上がります。
そんな私は、低温耐性も防塵防滴機能のないカメラで行きました。笑
何とかなりましたよ。その場でも壊れなかったです。
でも、その半年後とさらに半年後、2回も壊れて動かなくなりました。(丸3年こき使っていたので仕方ないかもですね・・)
直接原因じゃないのかもしれませんが、確実にガタが来るのは否めないようです。
③ダブルスロット
オーロラ撮影で一番苦労したことは、SDとバッテリーの交換。
私のカメラはバッテリーもSDカードも挿入口がカメラの下部に付いているため、交換する時は三脚から外して、交換して、また三脚に付けて、という作業が必要でした。
-20℃の極寒の中で、手袋を外して震える指でSDカードやバッテリーを交換して、せっかく調整した三脚を再度調整する・・というのが本当に手間で。
今オーロラ出てるのに、撮れない!ともどかしい気持ちになったタイミングがありました。
まあ最初から容量の大きいSDカードを持って来れば済む話なんですが、「壊れたらどうしよう」なんてビビッてしまい、容量の大きいカードを持って来れませんでした。
そんな時にダブルスロットであれば、2枚のSDを入れることができるので、本当に便利です。
挿入口が横に付いていると出し入れも楽なので、そちらもチェックしてみてください。
④予算内でレンズが買えるのか考えてから買う
勿論ボディも大切ですが、オーロラ撮影で特に大切となるのがレンズ。
できるだけF値が小さい広角レンズが必要ということですが、そういったレンズは本当に高いです。
また、そもそも撮影に適したレンズが販売されていないメーカーもあります。
レンズまで考えて、予算内で買えるかどうかを吟味してからボディを選ぶことをおすすめします。
オーロラ撮影に必要なレンズ性能について
①画角は24mmが撮影のぎりぎり
今回私が連れて行った通常のレンズはこちら。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
35mm換算で24mm~80mmのF2.8通し。防塵防滴機能付きです。
撮影して思ったことは、大きなオーロラが出てしまうとすぐに画角オーバーになってしまいます。
実際の画像を見ても、意外と狭いと感じられる方も多いのではないでしょうか?
ネットでよく言われている24mmが限界というのは本当で、これより狭いレンズでは勿体ないと思います。
もう一段広角のレンズで挑めば良かったと少し後悔でした。
ただし、これはあくまでも私が大きなオーロラに出会ったからこそ。
出ているオーロラがかなり小さかった場合、広角すぎると寂しい写真になる恐れがあります。
また、オーロラ以外のものも撮影する場合、24mm~80mmまで撮影できるこのレンズはかなり重宝しました。
しかもこれ以上広角のレンズは、値段が高くなってしまう場合が多いです。
オーロラだけでなく、普段の撮影やコストパフォーマンス考えてレンズを選ぶことをおすすめします。
②F値は2.8以下まで下げられるものを
先ほども書いた通り、オーロラの撮影にはシャッタースピードを稼げる明るいレンズが必須。
F値は2.8以下まで下げられるものを準備する必要があります。
それ以上になってしまうと、光量が小さいオーロラの場合、うまく撮影できない可能性が高まります。
③単焦点レンズかズームレンズか
もちろんどっちも持っていければいいのですが、どちらかしか選べない場合。
これは好みだと思いますが、私はズームレンズをおすすめします。
理由、超広角の単焦点レンズは、そんなに使うことがないため。
普段から星空撮影をメインにしている方や、広角の単焦点で撮りたいものがたくさんある方なら良いと思いますが、私は広角レンズを使う場面はほとんど風景です。
そうなると、ある程度絞って使うので、F値は2.8まで下がらなくても問題ありません。
勿論解像度等の細かい違いなどはあると思いますが、それよりはある程度F値が高くなってもズームで画角調整できるレンズの方が、広角に関しては使いやすいと個人的に思います。
超広角単焦点でF値2.8以下のレンズって、本当に高いものが多いです。
メーカーにもよりますが、コストパフォーマンスを考えると、ズームレンズの方を選んだ方がいいかなと思います。
④魚眼レンズも持っていく
大きなオーロラが出た時は、魚眼レンズが大いに役立ちます。
今回の旅で一番悩んだのが、魚眼レンズを持って行くかどうかでしたが、本当に持って行って良かったと心から思いました。
ブレイクアップと呼ばれる大きなオーロラは、超広角レンズでもすべて収めるのは困難です。
魚眼レンズを空に向けて撮影すると、空に浮かんでいるオーロラをダイナミックに撮影できるため、通常のレンズでは撮影できない写真を撮ることができます。
今回私が持って行ったのは、M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO。
防塵防滴機能付きで、35mm換算16mmの魚眼。F値は1.8まで下がります。
魚眼レンズの弱点としては、超広角よりも広く写るので、「オーロラが小さい時に寂しい写真になってしまう」ことと、「同じような写真になってしまう」こと。
撮り方にもよると思いますが、魚眼レンズで空全体を撮ると、どれも同じような印象。
撮り方のバリエーションで考えると、通常のレンズの方に軍配が上がります。
また、メーカーによりますが、レンズの値段が高い割に普段使いしづらいです。
特に上記に挙げた魚眼レンズは、「オーロラのためにできたレンズ」と呼べますが、逆に言うと「オーロラ以外では使い道の少ない高性能機能が多い」とも言えます。
これで値段がそこそこなら買うのですが、オーロラだけのためにこの値段のレンズは買えませんので、私はレンタルしました。
メーカーによっては比較的安価でこのような高機能レンズを販売しているものもありますので、コストパフォーマンスを考えて購入することをおすすめします。(下記に記載している魚眼レンズは比較的安価で性能もいいです。)
結論
以上の内容から、私がオーロラに持っていくべきと考えるのは、
・35mm換算で24mm以下の画角・F2.8以下の明るさを持つズーム可能レンズ
・超広角魚眼レンズ(もちろんF2.8以下)
⇑フジフィルム対応の魚眼レンズ。純正ではないけれど、この値段で高性能なのでXユーザーにはおすすめ。
と考えます。
ただし、こんな高価なレンズをいくつも買える人は少ないと思います。
ということで、先ほども書きましたが、私はレンズレンタルサービスを利用しました。
長期の旅行になると値段がかさんでしまいますが、購入することを考えたら断然安い。
ニコンやCanonであればレンタル業者が割とありますので、比較的安価で借りられることも。
OLYMPUSの場合は一般の業者でのレンタルがほとんど無かったので、OLYMPUS公式のレンタルサービスを利用しました。
対応もスムーズでおすすめです。