レンズのミリ数って何?広角・望遠って?カメラにおけるレンズの焦点距離について

 

こんにちは。フォトグラファーのYuri(camel8326)です。

カメラを使っていると、「〇ミリのレンズがおすすめだよ」という話を聞くこともあると思いますが、初心者の方は「そもそも“ミリ”って何?」と思いますよね。

同じように語られる「広角」「標準」「望遠」という言葉についても、なんとなく理解していてもよくわからないことも。

景色を撮影するには広角レンズがおすすめ!
ポートレートを撮影するには望遠レンズがいいよ。

と一般的に言われていますが、

そもそも広角や望遠って何?
それぞれのレンズでどんな特徴があるの?

と疑問に思う初心者さんは多いと思います。

今回はそのような方に向けて、「レンズを語る上での“ミリ”とは何か」「広角・望遠などの単語の意味」や「それぞれのレンズの特徴」をお伝えしたいと思います。

実は広角レンズや望遠レンズには、それぞれ写真を撮る上での特徴があり、ただ単に画角が異なるだけではありません。

この記事を通して、それぞれのレンズの特徴を理解して、自分の撮りたい写真を撮ることのできるレンズを選びましょう。

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初心者向け!広角レンズと望遠レンズの違いとは?

レンズの「広角」「望遠」とは、焦点距離の長さの違いです。

簡単に説明すると、下記のようになります。

広角レンズ・・・広範囲にわたって撮影することができる

望遠レンズ・・・撮影できる範囲が狭く、被写体を大きく撮影できる

つまり、
「目の前にある景色を全て写真に収めたい」・・・広角レンズ


「もっと被写体にズームアップして写したい」・・・望遠レンズ

を選びます。

 

それでは、「レンズを選ぶ時に、どうやって広角レンズか望遠レンズか判断するのか?」ということについて、下記で説明したいと思います。

 

レンズの「ミリ」って何?焦点距離について

焦点距離とは、レンズの中心値からイメージセンサーまでの距離であり、この長さによって、撮影できる画角が変わります。

この「焦点距離の長さ」がレンズにおける「ミリ数」となります。

 

焦点距離が短いレンズ(35mm換算で25mm以下)=広角レンズ=広範囲にわたって撮影できる

焦点レンズが長いレンズ(35mm換算で100mm以上)=望遠レンズ=撮影できる範囲が狭く、被写体をズームして撮影できる

 

上記に挙げたとおり、レンズの「ミリ数」が小さいほど「広角」、大きいほど「望遠」となります。

同じ位置から撮影した場合、下記のような画角の違いがあります。

25mm以下(広角レンズ)
35mm~80mm(標準レンズ)
100mm以上(望遠レンズ)

 

 

レンズの表面を見ると、だいたいレンズの名前が書いてあります。

たとえばCanonのレンズ「EF24-105mm F4L IS Ⅱ USM」であれば、「24mm~105㎜まで撮影できますよ」というレンズ。

つまり、24mm(広角)から105mm(望遠)まで対応できる、非常に便利なズームレンズということがわかりますね。

 

ということで、

・もっと広い画角で撮影したい⇒今持っているレンズよりもミリ数が小さいを購入する

・もっとズームして撮影したい⇒今持っているレンズよりもミリ数が大きいものを購入する

と覚えていただきたいです。

35mm換算って何?

先ほどの説明の中で「35mm換算で〇mm」という言葉を使いました。

「35mm換算=フルサイズカメラで撮影した場合」という意味であり、「フルサイズのカメラで撮影すると、〇mmの画角で撮れるよ」ということを指します。

初心者の方は何を言っているのかよくわからないと思いますが、たとえレンズの焦点距離が同じであっても、センサーサイズが変わると、画角が変わってしまいます。

フルサイズのカメラで50mmのレンズを付けて撮影すると、そのまま「50mmの画角」で撮影できますが、APS-Cのセンサーを持つカメラで撮影すると、「50mm×1.5=75mmの画角」で撮影することになります。

 

つまり、同じミリ数のレンズを付けていても、APS-Cのカメラで撮影した方がフルサイズのカメラで撮影するよりも望遠で写ってしまうということです。

 

レンズを購入する際には、自分のカメラがフルサイズなのかAPS-Cなのかをきちんと確認して、適切なミリ数のレンズを購入するように気を付けてください。

フルサイズとAPS-C、マイクロフォーサーズにおける画角の違いはこちらの記事で詳しく説明しているので、ご確認ください。

ズームレンズと単焦点レンズの違いとは

レンズのラインナップを見ていると、

・EF24-105mm F4

・EF50mm F1.8

という風に、「ミリ数」が2つ書いているものと、1つしか書いていないものがあります。

レンズのミリ数=対応できる焦点距離

であるため、

「24-105mm」・・・24mmから105mmの画角まで自由に変更できる

「50mm」・・・50mmの画角しか対応できない

ということになります。

 

焦点距離を決められた範囲で変更できるレンズ⇒ズームして画角を変えることができる=ズームレンズ

決まった1つの焦点距離でしか撮影することができないレンズ⇒ズームできない=単焦点レンズ

ということです。

 

え、ズームできないなんて単焦点レンズって不便。それならみんなズームレンズを選ぶよね?

と思われがちなのですが、単焦点レンズはズームレンズよりも描写が美しかったり、背景がボケやすいため、ズームレンズよりも人気です。

単焦点レンズの魅力についてはこちらの記事で書いていますので、ご確認ください。

単焦点レンズとズームレンズについて理解しないまま購入してしまうと悲劇に繋がるので、レンズのミリ数については必ず確認するようにしてくださいね。

レンズを購入する前に知っておくべき!広角レンズと望遠レンズの特徴

広角レンズ・望遠レンズについて、「焦点距離の違いから写る画角が変わる」ということは理解できたと思います。

しかし、広角レンズ・望遠レンズは、ただ単に写る範囲が違う以外にも大きな特徴があります。

それぞれのレンズの特徴について説明したいと思います。

広角レンズの特徴

 


広角レンズはただ単に広い景色を撮影するだけではなく、撮影する際に「パース」と呼ばれる収束効果を発揮します。
パースとは、簡単に話すと「ゆがみ」のようなもの。


一点に向かって収束するようにゆがむこの効果は、広角レンズほど顕著に現れます。

このパースを苦手と考える人もいるらしいのですが、私はこのパースこそが広角レンズの醍醐味と思っています。

周辺をぐるっと取り囲むようなこの独特のゆがみが、景色の広大さをより表現してくれています。

広角レンズのメリット

広角レンズのメリットは、なんといっても広範囲にわたる景色を撮影することができること。

旅行などで広大な景色を見たり、近くから撮影せざるを得ない時に、標準レンズだとどうしても画角が足りないことがあります。

そんな時に広角レンズがあれば、広く写すことができ、被写体がはみ出てしまうことがありません。

広角レンズのデメリット

広角レンズのデメリットとしては、メリットの反対で、広く写しすぎること。少し離れたところの景色を撮影しようとしたら、手前のいらない部分まで画角に入ってしまうことがあります。

「写したくない」と思う部分まで写ってしまうので、被写体の近くに寄れない場合は、撮影しづらいことが多いです。

また、先ほど説明した「ゆがみ」が時に写真を邪魔する場合も。

特にポートレートを撮影する場合、端に被写体を置いてしまうと顔などが歪んでしますので、モデルさんは嫌がることが多いです。

ゆがみが影響して、かなり太って写ってしまうことも…。

広角レンズでポートレートを撮影するなら、真ん中付近にモデルさんを置くことをおすすめします。


また、ピントが合う範囲が広いことから、比較的ボケにくいことも特徴の一つです。

望遠レンズの特徴

 


望遠レンズには圧縮効果という特徴があります。
圧縮効果とは、遠くの景色と近くの景色の遠近感が弱く感じることによって、1枚の写真の中に遠近両方の景色が圧縮されたように写る効果。

簡単に話すと、遠くにある被写体が望遠レンズによって大きく写ることにより、手前に寄ったように感じることです。
奥行きが圧縮されるという言葉がわかりやすいですかね。

例えばこの写真。
滋賀県にあるメタセコイヤ並木ですが、この景色を広角レンズで撮影した場合、このように写ります。


圧縮効果がないと、木の1本1本がスカスカしている印象です。

逆に、望遠レンズで撮影した写真がこちら。

奥にある木々を手前に圧縮してくれているので、並木が密集している景色を表現することができます。

これが望遠レンズの特徴である圧縮効果です。

望遠レンズのメリット

遠くにいる被写体(鳥など)を撮影できることはもちろん、先ほどの圧縮効果を使って撮影することで表現の幅が広がります。
例えば密集しているお花畑や建物が密集している夜景を撮影する時は、望遠レンズを使った方が密集度の高い写真が撮れるのでおすすめ。

また、圧縮効果によって被写体の収差を抑えることができる(ゆがみが少ない)ため、ポートレートや商品撮影にも向いています。

望遠レンズを使うとピントの合う範囲が狭くなるため、ボケ量が大きくなり、背景ボケがよりきれいになることもうれしい効果です。

望遠レンズのデメリット

当たり前ですが、被写体と距離を取る必要があるため、使える場面が限られます。

特にポートレートなど、カメラマンが指示しながら撮る場合でも、離れて撮影しなければいけないので、あまりに望遠すぎるレンズは使いづらいです。

また、カフェや部屋など広くない場所では被写体から離れることが難しく、撮りたい画角で撮影できないことも。

望遠になるほどシャッタースピードも稼がなければならなくなるため、中級以上向けのレンズです。

レンズの特徴を理解して、自分に合ったレンズを選ぼう

lens

初心者の方がつまずきがちな、レンズのミリ数、広角レンズ・望遠レンズの違いについて説明しました。

広角レンズ・望遠レンズについて、それぞれの特徴を説明しましたが、どちらも非常に魅力的なレンズであることは間違いありません。

画角・メリット・デメリットを理解したうえで、自分にぴったりなレンズを選ぶきっかけしていただければうれしいです。

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