こんにちは。フォトグラファーのYuri(camel8326)です。
私はFUJIFILM歴3年。今まで様々なメーカーのカメラを使ってきましたが、FUJIFILMのカメラに魅了されてからは、ずっとFUJIFILMのカメラを愛用しています。
FUJIFILM歴4年の夫と住んでいるため、家にはFUJIFILMのカメラが5台以上、使ったことのあるFUJIFILMのカメラは10台以上になります。
ありがたいことに、「ゆりさんの写真を見て、FUJIFILMのカメラを新しく購入したいと考えている」「FUJIFILMのカメラが気になる」というお声をよく聞きます。
そんな中で「どのカメラがおすすめですか」という質問をいただく機会が増えました。
そこで今回は、「FUJIFILMのカメラの違い・選び方」をFUJIFILMのカメラを愛用している目線でお伝えしたいと思います。
カメラ初心者の方にもわかりやすく、それぞれの違いについてポイントを絞ってお伝えします。
目次
FUJIFILMのカメラを選ぶ時のポイント
最初に、フジフィルムのカメラを選ぶ時のポイントをお伝えします。
FUJIFILMのカメラは、正直違いがわかりにくい部分が多いです。
そのため、「こんなことに気を付けて選んだらいいよ」と説明できるおすすめポイントについてお話しします。
センサーの種類を確認する
FUJIFILMのカメラを選ぶ際に、最も重要視してほしいのがセンサーについて。
FUJIFILMのカメラはベイヤーセンサーを搭載しているものと、X-Trans CMOSというセンサーを搭載しているものの2種類があります。
私がおすすめするセンサーは、圧倒的にX-Trans CMOS 。
というのも、FUJIFILMの独特の色の美しさを表現できるのは、X-Trans CMOSのおかげなんです。
ベイヤーセンサーのカメラでも、もちろんきれいな写真を撮ることができます。しかし、「色が格別に美しい」と謳われるFUJIFILMの色を表現できているかと聞かれると、少し微妙です。
X-Trans CMOSが搭載されているカメラで撮影すると白飛びしない明るさでも、ベイヤーセンサーのカメラで撮影すると白飛びしてしまうことも結構あります。
FUJIFILM独特の色合い、ふんわりかわいい色を表現したい思う方は、X-Trans CMOSセンサーが搭載されたカメラを選ぶことを強くお勧めします。
ちなみに、X-Trans CMOSの中にも段階的に違いがあり、新しいセンサーの方が発色がきれいです。
(更にちなみにですが、フジフィルムのカメラは中判以外全てAPS-Cです。フルサイズ・マイクロフォーサーズのセンサーを搭載しているカメラはありません。)
防塵防滴機能がついているかどうか
FUJIFILMのカメラは、防塵防滴のものとそうでないもので、値段や大きさが変わります。
X-T4シリーズやX-Hシリーズなど「フラッグシップ」と呼ばれる上位機種には防塵防滴機能が付いていて、X-T30シリーズ・X-Eシリーズには防塵防滴機能がついていません。
防塵防滴機能が必要かどうかは撮影スタイルによります。仕事などで雨や雪の中での撮影しなければいけない方、オーロラや砂漠など旅先で写真を撮りたい方は、防塵防滴機能はあったほうが安全です。
逆に、そのような撮影を一切しない場合は、防塵防滴機能が無くてもそんなに困りません。
モニターが可動式かどうか
当たり前のように付いていると思われているモニターの可動機能ですが、意外とついていないカメラもまだあります。
FUJIFILMの場合、X-Eシリーズはモニターが動きません。
お花や子供撮影など、背の低い被写体を撮影するときは可動式モニターがあった方が便利なので、自分の撮影スタイルに合わせて選ぶ必要があります。
手ブレ補正があるかどうか
FUJIFILMは手ブレ補正の付いているカメラが最近までありませんでした。
今のところ手ブレ補正の付いているカメラはX-H1とX-T4のみ。
レンズ側に手ブレ補正が付いているものもそんなに多くないので、ボディの手ブレ補正はできればあった方が確実です。動画撮影をされる方は必須。
とはいえ、私は手ブレ補正のついていないX-T20、X-T3を愛用していますが、撮影環境が悪くない限り、そんなに問題なく使えています。
AFの速度
ピントの合うスピード(AF速度)が他のメーカーに比べて遅いことがFUJIFILMの難点なのですが、これは新製品が出るたびに改善されています。
たとえば、同じセンサーを持っているX-T3とX-T4でも、最新のX-T4は0.04秒もAF速度が速いです。
わずかな差だと思う方も多いと思いますが、このAF速度の速さはカメラを使っている側にとってはかなり重要。
特に動く子供や動物を撮る方はこの点を重視することをお勧めします。
重さ・大きさをどこまで許容できるか
当たり前ですが、性能の良いカメラは大きくて重いです。(そして高い)
ある程度カメラを使い慣れている方は大丈夫だと思いますが、初心者のうちにあまりに大きくて重いカメラを買っても、持ち運びに苦労してしまい、結局使わない結果になってしまうことが多いです。
そのため、最初は機能が多少制限されても、自分が普段から持ち運べる大きさのカメラを選ぶことをおすすめします。
フジフィルムのカメラについて、機種ごとの特徴紹介
ここからは、今発売されているフジフィルムのカメラのそれぞれの特徴を説明します。
機種ごとのおすすめポイントも書いていますので、これからカメラの購入を検討されている方はぜひ参考にしてください。
X-A7
初心者向けのカメラとして位置付けられている、X-Aシリーズの最新機種であるX-A7。
搭載されているセンサーはベイヤーセンサーなので、発色は少し弱いです。とはいえ、FUJIFILMの作り出す美しい写真は十分に楽しめます。
小さくて軽いので、持ち運びに相当便利。
寄れるレンズ・美肌モード・180度モニター回転など、スマホと同じような感覚でカメラを楽しむライトユーザーの方や、気軽にカメラを楽しみたい方にはぴったりなカメラです。
X-T200
X-Aシリーズと同じく、搭載されているセンサーはベイヤーセンサー。
X-Aシリーズと違いファインダーがあるので、外での撮影が多い方にはおすすめです。
クラシカルな見た目も可愛く、写真を本格的に始める最初のステップにおすすめのカメラです。
X-E3
FUJIFILM特有のX-Trans CMOSセンサーを搭載しているカメラ。搭載されているセンサーは最新機種よりも1つ前のものなので、X-H1・X-T2・X-T20などと同じです。
最新のセンサーではないものの、フジフィルムが誇る「X-Trans CMOSセンサー」で撮影する写真の美しさは感動もの。
私が初めて触れたFUJIFILMのカメラがX-E3よりも2つ前のX-E1だったのですが、あまりの美しさに一瞬でFUJIFILMの虜になりました。
X-T30と比較して安くて軽いことがメリットなのですが、なんとモニターが動きません。
そのため、お花や子供撮影など、バリアングルをよく使う方は購入前によく考えることをお勧めします。
「手軽にフジの色を楽しみたい」「2台目のカメラに使いたい」と考える方にはぴったりです。
X-T30
最新のX-Trans CMOS4センサーを搭載し、AF速度も向上。
モニターも可動式であり、個人的に初心者から中級者まで、どんな方でもおすすめできるコストパフォーマンス最強のカメラだと思っています。
後ほど詳しく書きますが、最上位機種と同じセンサーを搭載しているため、撮影できる写真は同じです。なのに、軽くて安いという優れもの。
シングルスロット・防塵防滴機能なし・ファインダーが小さくて少し見えづらいので仕事に使うには心許ないですが、プライベートだったらこちらで十分です。
X-Pro3
FUJIFILMのカメラで唯一光学ファインダーを使用できるカメラ。クラシカルな外見も素敵で、こだわりの強いファンからの人気が高いカメラです。
防塵防滴機能・ダブルスロットなどプロにも嬉しい機能が揃いますが、個人的にはそこまでファインダーや外見にこだわりがないならX-Tシリーズの方が使いやすくておすすめだと思います。
X-H1
FUJIFILMのボディで最近まで唯一の手ブレ補正を持っていたX-H1。搭載されているセンサーは最新よりも1つ前で、X-T2と同じです。
手ブレ補正があるため、動画撮影に適している基調なカメラだったのですが、手ブレ補正機能を搭載したX-T4が最近発売してしまったので、すっかり立ち位置を失ってしまった印象。
X-H1は私も持っていて、十分きれいで使いやすいカメラなのですが、X-T3など最新センサーと比較して発色やAF速度が落ちている面が残念。
とはいえ、カメラとしての性能は十分なので、「手ブレ補正機能は欲しいけど、X-T4が高い」と考える方にはおすすめです。
X-T4
フジフィルムの最新機種であるX-T4。
これからカメラを購入する方で、金額・カメラの大きさにはこだわらないという人は、全員これを選べばいいんじゃないかというぐらいにおすすめです。
最新X-Trans CMOS4センサー搭載・AF機能0.02秒・手ブレ補正あり・ダブルスロット搭載・防塵防滴・180度回転式モニターなど、写真撮影動画撮影ともにうれしい機能が満載。
唯一のデメリットは、バッテリーが今までと違う形であること。FUJIFILMのバッテリーを6個以上持っているヘビーユーザーとしては、これまでのバッテリーが使えないのはきついです、、笑
バッテリーの持ちが良くなったとはいえ、仕事で使うには3つ以上は必要。1つ1万円ぐらいするバッテリーなので、それだけでかなり値段が上がります。
しかし、そんなデメリットを感じさせないほどに素晴らしいカメラです。
あなたにはこのカメラがおすすめ!フジフィルム愛用カメラマンが勧める5つのカメラ
フジフィルムのカメラそれぞれの機種ごとの説明をしましたが、「結局どれを買えばいいのかわからない」という方向けに、おすすめのカメラを4つピックアップしました。
カメラに対する用途や頻度によっておすすめできるカメラが違うので、ぜひ参考にしてください。
値段・大きさにこだわらず、性能重視なら絶対にX-T4(仕事にも使える◎)
値段や大きさにこだわらず、とにかく性能重視のカメラが欲しい方は、最新機種であるX-T4を選んでおけば間違いありません。
手ブレ補正付き・最新センサー・AF速度0.02秒と今までのFUJIFILMの魅力と改善すべきポイントを全てカバーした、完璧なカメラと言っても過言ではないでしょう。
個人的にかなりおすすめしているXF90mmf2やXF35mmf1.4のレンズには手ブレ補正が付いていません。
暗い中で手ブレ補正のついてないボディで撮影するときは、かなり気を使います。そのため、手ブレ補正がボディ側に付いているだけで、安心して撮影できる場面がかなり増えます。
写真だけでなく、動画を撮影される方にもおすすめ。
同じく手ブレ補正が付いているX-H1もありますが、AF速度がX-T4と全然違います。
センサーもX-H1はX-T4と比較して1つ前のものが付いているため、細かい違いですが、X-T4の方が色が断然きれいです。(私はX-H1とX-T3両方持っていますが、手ブレ補正の効くX-H1よりも色とAF性能が高いX-T3の方がよっぽど使いやすいです)
防塵防滴・ダブルスロットでもあるため、仕事で使う方も安心して使えます。
ちなみに、これだけプロ機能が揃ったうえにモニターが180度動いてくれるので、自撮りで動画撮影ができることも大きなポイント。
YouTubeをされる方はこの機能正直かなりほしいのでは?私はめっちゃ欲しいです。笑
モニター180度回転はFUJIFILMの中ではAシリーズとX-T4にしか付いていません。
初心者から中級者まで、どんな人にもおすすめできるコスパ最強のX-T30
「X-T4が魅力的なのはわかったけど、そこまで高いカメラは買えない」「そんなに大きいカメラは使いにくい」という方におすすめしたいカメラが、X-T30。
まさにコストパフォーマンス最強のおすすめカメラです。
というのも、X-T30には最新のセンサーが搭載されているので、最上位機種であるX-T4と同じ写真を撮ることができます。
それなのに、比較的軽くてコンパクトなので、持ち運びも非常に便利です。モニターも可動式。
防塵防滴・ダブルスロット・手ブレ補正などの機能は付いていないですが、その分持ち運びに便利で安いので、初心者から中級者まで全ての方にぴったりなカメラです。
「どのカメラを買えばいいかわからない」と悩む方には、迷わずこのカメラをお勧めします。
型落ちだけど、まだまだ十分使えるX-T20・X-T3
X-T4やX- T30の魅力はわかったけど、もう少し安いカメラがいいという方は、型落ち商品を狙ってみるのもおすすめ。
特にX-T3はまだまだ新しい機種であり、X-T4との大きな違いは「手ブレ補正」と「AF速度」「モニター回転」のみ。
AF速度も仕事で十分使えるほどなので、手ブレ補正にさえ目を瞑れるのなら、X-T3は十分お勧めできます(私も仕事で愛用しています)。
X-T20もX-T30と比較してセンサーが一世代前だったり、AF速度が弱かったりしますが、撮影できる写真の美しさは十分。
私も2年間愛用して、今もお散歩用カメラとして使っています。
少し前のカメラであるので、家電量販店には売っていない可能性が高く、ネットで購入することをおすすめします。
「そこまで機能にこだわりはないけど、FUJIFILMのきれいな色が気になる」という方におすすめ。今値段もかなり下がっています。
とにかく使いやすくて小さいカメラを選びたいならX-A7
そこまで発色のこだわりはなく、「きれいで手軽に撮れたらいいな」という方にはX-Aシリーズがおすすめ。
センサーはベイヤーセンサーなので、FUJIFILM独特な色味の表現は難しいのですが、それでも十分美しい写真を撮ることができます。
とにかく軽くて小さく、カバンの中にもすっぽり入ります。
付属のレンズがかなり寄れるので、スマホと同じような感覚でカメラを楽しむこともできます。美肌モードやモニターの180度回転などもあるため、自撮りをよくされる方にもおすすめ。
レンズは併用可能なので、最初X-Aシリーズで慣れておいてから、ステップアップで別のシリーズのカメラを購入することもおすすめです。
撮影スタイルによって、欲しいカメラを決めよう
ラインナップが多く、違いが少しわかりにくいフジフィルムのカメラですが、それぞれに特徴があり、自分の撮影スタイルに合わせて選ぶことができます。
ぜひ自分の撮影スタイルを考えて、ぴったりのカメラを選んでください。
心からおすすめするカメラメーカーなので、皆さまのFUJIFILMデビューのひと推しになれたら嬉しいです。