こんにちは。フォトグラファーのYuri(camel8326)です。
先日、とあるカフェでのんびりしていたところ、女子大生2人がカメラ本を開いて熟読していました。
2人の側にはカメラとカフェで買ったお菓子。
「F値1.8にしたらボケるって書いてあるけど、3.5より下にF値が下がらない。なんで?」と困惑気味の2人。
よく見ると使っているレンズは普通のキットレンズ。
「それは設定とかじゃなくて、レンズのせいだよー!」
と教えてあげたかったのですが、人見知りの私は結局声をかけられず。
なので、あえて今回は初心者向けにボケとレンズの関係について簡単に解説したいと思います。
・背景がボケた写真が撮りたい
・最初に買うべき単焦点レンズを教えてほしい
という疑問を解消します!
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目次
なぜあなたのレンズのF値が下がらないのか?
そもそもF値とは
F値とは、カメラに光を取り込む量を数値化したもの。
F値が小さいほど光を取り込む量が多く、F値が大きいほど光を取り込む量が少ないです。
簡単に説明すると、F値が小さければ小さいほど主役以外がボケて、大きければ大きいほど被写体すべてにピントが当たります。
つまりF値を下げれば、それだけ背景がボケた写真が撮れます。
(ボケ感はF値だけでなく背景の選び方やボディにもよりますが、ややこしいので一旦このように理解してください。)
対応できるF値はレンズごとに違う
「F値を下げることができない」ことで考えられる原因はいくつかありますが、今回はキットレンズしか持っていなかったことから、単純にF値が3.5までしか下がらないレンズを使っていたからでしょう。
基本的にレンズは対応できる焦点距離(画角)とF値が決まっています。
例えば、上記に例として挙げた「NIKON18-55mmF3.5-5.6」のレンズの場合は、「18mmから55mmまで」の範囲以外の画角をカバーすることはできないですし、「F値が3.5-5.6」と表記されている場合は、どんなに頑張ってもF3.5よりF値が下がることはありません。
「F値を1.8まで下げたい」と思ったら、「50mmF1.8」というような、「F1.8まで下がりますよ!」と明記されているレンズを買う必要があります。
ズームすると最小F値が変わることも
少しややこしい話をすると、レンズによっては「ズームすると最小F値が変わってしまう」というレンズがあります。
例えば「18-55mm F3.5-5.6」のレンズを使うとします。
18mm(広角)で撮影した時⇒F3.5まで下がる
55mm(望遠)で撮影した時⇒F5.6までしか下がらない
といったことがあります。
これはレンズの仕様であり、ズームするごとに対応できる最小F値が大きくなってしまいます。(つまり仕方ないんです)
キットレンズなど安いレンズはだいたいこのような仕様になっています。
なので、「F値が下がらない」ことのもう1つの原因は、「ズームして望遠にしているから」という可能性があります。
ちなみに、ズームしても最小F値が変わらないレンズもあります。
通称「通し」と呼ばれていて、「70-200mmF2.8」というように、レンズの名称に対応できるF値が1つだけ書いています。
これは、「70mmで撮影しても200mmで撮影しても、最小F値が2.8まで下がるよ」というレンズです。
「じゃあそっちの方がいいじゃん」と感じると思いますが、値段がびっくりするほど高いので、注意が必要です。笑
自分の持っているレンズのF値の調べ方
「そもそも、自分の持っているレンズの最小F値がわからない」という方は、レンズの側面を見てください。
ほとんどのレンズは、側面に「2 2.8 4 5.6 8 11…」という風に、数値が刻んであり、ダイヤルが動くようになっていると思います。
その値の最小値(上記であれば2)が最小F値です。つまりF2まで下げることができるレンズです。
「そんなダイヤルがない」というレンズの場合は、レンズの側面に「1:〇」と書かれていると思います。(下記であれば「1:2.8」)
この「〇」に書かれた数値が、最小F値です。つまり、このレンズの最小F値は2.8です。
それでもわからない方は、自分の持っているレンズの名前を調べてF値を確認してください。
焦点距離(画角)とボケ量の関係について
レンズにはあらかじめ対応できる焦点距離(画角)とF値が決まっていると先ほど説明しました。
この焦点距離(画角)によっても、ボケ量が変わります。
そもそも焦点距離って何?
焦点距離について詳細に説明すると話がわかりづらくなるので、ここでは焦点距離=レンズのミリ数=画角と説明させてください。
焦点距離について、詳しい説明はこちらの記事で行っていますので、ご確認ください。
焦点距離と画角の関係は、下記のように覚えてください。
焦点距離が長い=レンズのミリ数が大きい=望遠で撮影できる
焦点距離が短い=レンズのミリ数が小さい=広角で撮影できる
画角が変わると、ボケ量が変わる
写真のボケを作り出すのは、F値の低さだけでありません、
撮影できる画角が変わると、ボケ量が変わります。
簡単に説明すると、
望遠レンズ=ボケやすい
広角レンズ=ボケにくい
と覚えておいてください。
キットレンズはF値が下がらないうえに広角であるため、ボケにくいことが多い
今までの話をまとめると、
F値が小さい=ボケる F値が大きい=ボケない
望遠=ボケやすい 広角(広く撮影できる)=ボケにくい
ということがわかったと思います。
カメラに最初セットで付いている「キットレンズ」は、最小F値が3.5ぐらいのものが多いです。
しかもそのF値3.5を使用できるのは広角側の画角を使用した時のみであることが多く、端的に言うとキットレンズは非常にボケにくいです。
もっと背景がボケた写真を撮りたいなら…
背景をボカす方法はいくつかありますが、単焦点レンズを買うことが1番の近道です。
キットレンズでも工夫次第で背景のボケた写真を撮ることはできますが、単焦点レンズで撮影したものと比較すると雲泥の差です。
また、単焦点レンズは解像度が高いものが多く、キットレンズと比較すると描写が美しすぎて驚くことが多いです。
単焦点レンズを導入するだけで写真が上手くなった気分になるので、本当におすすめ。
単焦点レンズについての説明・魅力については、こちらをご確認ください↓
単焦点レンズの選び方
単焦点レンズを選ぶ時に考えるポイントは焦点距離(画角)・値段・最小F値・最短撮影距離です。
焦点距離(画角)
簡単に説明すると、焦点距離(画角)とは、「広く撮れるのか(広角)、遠くを撮れるのか(望遠)」ということ。
これは、レンズの「ミリ数」に該当します。
数値が低いほど広角となり、数値が高いほど望遠となります。
単焦点レンズは「ズームができない」ため、焦点距離(画角)の選び方が非常に重要です。
自分の撮影スタイルに合う画角なのか、購入前に必ず検討してください。
最短撮影距離
最短撮影距離とは、被写体にピントを合わせることができる最短距離のこと。
一眼レフはスマホと比べてこの最短撮影距離が長いので、最初はマクロに撮ろうとして「なんでシャッターが押せないの?」と焦ったことはないでしょうか?
最短撮影距離が長すぎて撮りたいものが撮れなかったという悲しいことが起こらないように、欲しいレンズの最短撮影距離は調べておきましょう。
初心者におすすめの単焦点レンズ
単焦点レンズの選び方も色々とあるのですが、初心者が最初に買うべきおすすめのレンズは50mmの単焦点レンズです。(35mm換算)
狭すぎず広すぎない画角なので、カフェや小物、ポートレート撮影にぴったり。
F値が1.4~2まで下がるものが多いため、背景もしっかりボケてくれます。
メーカー側も「初心者が最初に買うレンズ」と理解しているからか、他のレンズに比べて手ごろな値段で売っていることが多いです。
「もっと背景のボケた写真が撮りたいけど、どんなレンズを選べばいいのかわからない」という方は、50mmの単焦点レンズを買うことをおすすめします。
ちなみに、ここで言う50mmとは35mm換算です。
自分のカメラのセンサーサイズを確認し、
マイクロフォーサーズの場合は25mm(OLYMPUS・パナソニックに多い)
APS-Cの場合は35mm(フジフィルム 一部ソニー・キャノン・ニコン)
フルサイズの場合は50mm
となります。
必ずご自身のカメラのセンサーサイズを確認し、正しい焦点距離のレンズを購入してください。
詳細はこちらの記事で解説していますので、ご確認ください。
レンズの仕組みを理解して、ふんわりボケた写真を撮ろう
「F値が下がらない仕組み」「F値を下げてふんわりボケた写真を撮るには、単焦点レンズがおすすめ」ということについて、ご理解いただけましたでしょうか。
最初はわかりにくいかもしれませんが、自分で操作して慣れることで、すぐに理解できると思います。
このサイト「カラフルカメラライフ」では、そんなカメラ初心者の時につまずくポイントを丁寧に説明していますので、他の記事もぜひご確認ください。